2013/09/14

五禽戯(ごきんぎ )と五行 

最近、五行に関心があって
五禽戯(ごきんぎ )について調べてみました。



日本華侘五禽戯倶楽部  より

五禽戯(ごきんぎ )は
中国の2世紀 後漢末の「神医」とよばれた「華侘」によって
古代から中国の民間に伝わっていた導引という健康体操から
五種類の禽獣・動物の所作からヒントを得て
中医学の哲理をふまえた陰陽五行思想(木・火・土・金・水)を盛り込み、
身体の「腎・肝・脾・心・肺」の五臓六腑を意識的に活性化できるように
創られた動気功

五禽之戯(五つの動物の運動)
第一が虎、第二が鹿、第三が熊、第四が猿、第五が鳥
(それぞれが動物のかっこうをして躍ねまわる)


虎戯
虎の技を練る時は「猛々しさ」と「虎視眈々」とした眼力をも重視します。
五行ではに属し 腎臓の働きに関係して作用します。
」につながる組織を鍛錬することで骨髄の流れを活性化できます。
関連する 季節は 
下半身の臓器や排泄器官や生殖器官は冷えに弱く 
方法として これらに関係する臓器の活性化を施していくのが目的です。

鹿戯
鹿の技は「」に意識をおいた鍛錬を大事にします。
五行では に属し 肝臓に関係します。
関連する季節は
鹿は敏捷性がよくすばしこい動きのできる筋肉をもつ生き物であり、
鹿の動きを模倣した動作は尾閭がよく作用します。

熊戯
熊の技は肌肉を強め 脾胃を丈夫にします。
五行では に属し 脾臓に関係します。
関連する季節は土用(季節ごとの分かれ目)
穏やかでも力強い能力を持つ熊の動きの真似をする技を鍛錬すると、
疲れやすい体が落ち着いて正常に戻り 
内在する気力が増大させられます。

猿戯
猿の技は猿の特徴である機智的に素早く動ける反射を司る
脳筋の反応力を鍛えます。
五行では に属し 関連する臓器は心臓であり、脳(心)と連動します。
関連する季節は
練功によって習練された脳(心)は不愉快な心地を鎮め 
楽しくなる情緒を高められます。

鳥戯
鳥の技は皮毛(毛穴・皮膚呼吸)を鍛えます。
五行説のに属し 関係する臓器はです。
関連する季節は
鳥の中で一番長寿なのは鶴であります。
翼を広げ空中を旋回する様子を動きに多く取り入れたのが鳥戯です。
鳥戯を修練すれば、肺の機能が改善され 全身においてでは、
発汗能力を高め 熱を下げることができ,また胸(胸郭)を広げ 
呼気と吸気の流れを整えることが出来るのです。
鶴は鍛錬されたような皮膚の如く羽毛を持ち、手足は軽くすばしこく 
高く飛び上がる能力に優れています。鳴き競うことを好み 
高いところにおいてでも平衡感覚に秀でていて、
心地よい「和み」の身体感覚を本能的に理解できている動物です。




動物に学ぶ太極拳 五禽と五行  より

1 木は鹿

 まず、「木」に対応するのは、「鹿」です。牡鹿には角がありますが、鹿の角は木の枝のようです。「木」のシンボルカラーは青(緑)で、これは樹木の葉の色です。

 昔は、青と緑の本質的な違いがなかったのでしょう。「樹木が青々と茂っている」と表現しますね。現代でも信号の「青」は緑がかった青ですね。

 2 火は猿

 「火」に対応するのは、「猿」です。「火」のシンボルカラーは赤、猿の顔は、赤い、お尻も赤い、「赤い色は心の色」と覚えてください。

 これは決して冗談ではありません。赤ら顔の人は、しばしば血圧が高かったり、心臓に問題があることが多いのです。

 3 土は熊

 「土」に対応するのは、「熊」です。土のシンボルカラーは「黄色」です。胃薬のコマーシャルに出てくる胃のイラストや模型は黄色い色をしています。

 漢方には「熊の胆(い)」という胃の薬(肝臓にも効果がある)がありますが、「熊」の動作は肝の興奮をを沈め 、脾胃(ひい:消化機能全体)を丈夫にする、と覚えてください。

 4 金は虎

 「金」に対応するのは、「虎」です。「金」のシンボルカラーは「白」で、肺に対応します。「虎」は黄色と白の縞模様を思い浮かべますね。胸や腹部の毛は純白です。

 5 水は鳥

 「水」に対応するのは、「鳥」です。鳥の羽ばたく動作、腰をかがめる動作が腎臓の働き(腎機能)を高めるのです。「鳥」の代表は鶴です。鶴の尻尾の羽根の色は黒です。

 ただし、この五禽の五行への対応は、絶対的なものではなく、五禽戯を教える気功の老師によって、微妙に対応が変わっています。